展示概要

会期
- ※休廊日:月・木
時間
(最終日は16:00まで)

ギャラリートーク&オープニングパーティ:12月2日[土]16:00〜
宮田徹也(日本美術思想史)と出品作家によるトーク

視覚空間と触覚空間(あるいは触覚的意味)は全く別で異質のものであり、その間にはいかなる空間的関係も存在しない、とする論がある。
しかし、視覚空間(見る見ないにかかわらず視覚的に見えるものすべて)の中で身体的感覚を定位することができるのであれば、その感覚的身体を起点に双方の空間は接合され、それらはひとつの知覚的風景として私たちとともに存在することになるであろう。
実際に私たちの視覚と触覚は、身体的感覚経験によって連動して在ることの実感を得ている。

目の前の1本の線は何かの痕跡であり、運動の軌跡であり、境界であり、形態の片鱗でもあり、またそうあろうとしているものとして立ち現れる。
線は機能としてのパーツであるときにはその重なりと分断によって位置を示唆するものとなり、構成要素として調和と構築、その歪みをも作り出し、タッチとしてテクスチャーや材質感、情感を伝えることにも寄与するだろう。また遠近法に代表されるような視線の誘導効果を示すという流れや方向性を生み出す機能も持っている。
線はそこに定着すると、いや未定着で浮遊し続けている時でさえも、ひとつの境界を生み出すとともに形態への示唆を含む運動性を発揮する。
それは描かれた線だけではない。ひっかき傷としての線も、輪郭としての線も、エッジとしての線も、折りたたまれた痕跡も、断面も、皺も。
すべての「線」は、物体や空間の形態や構造を定義することに加えて、それ自体が触覚の触発作用をもった「質」として立ち現れている。
身体的感覚が視覚空間と触覚空間を接合していくように、線も視覚と触覚を緊密に結びつけていく。

すべての、あらゆる線たちが私たちの触覚を触発し、そこに質としての存在が知覚的に立ち現れている。
ギャラリー睦に集う3人の作家がそれぞれの触覚を触発する線をめぐってどのような質感を出現させるのだろうか。

ギャラリー睦での「線が触覚を触発する」展の連動企画として、アトリエmoon/ギャラリーわらねにて、同じく出射・宇野・坂本の3作家の旧作、小品を中心とした「色が感覚を拡張する」展および関連イペントを同時開催いたします。色が感覚を拡張する一ここでいう色・色彩とは、原色やそれに近い明解な色彩だけを差すのではなく、主に明暗のニュアンスに含まれるような、わずかな色味のことを意味しています。その微かなありかた、立ち現れかたが(微かであればあるほど)、私たちの感覚を拡張してくれるともいえるのではないでしょうか。

 

 

関連企画(同時開催):色が感覚を拡張する

11月4日(土)、11日(土)、18日(土)、25日(土)、12月2日(土)、9日(土)
※土曜日のみオープン 11:00〜16:00

アトリエ Moon/ギャラリーわらね
〒270-1615 印西市師戸78
TEL:045-69-127
E-mail:ateilermoon78@gmail.com
わらねへの交通についてはこちらのアドレスにお問い合わせください。

出展作家

出射茂、宇野和幸、坂本匡之

アクセス

〒260-0045 千葉県千葉市中央区弁天3-8-11
URL:gallery-mutsu.com
E-mail:info@gallery-mutsu.com